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火打ち石を使った火起こしの方法と魅力を解説!

火打ち石を使った火起こしの方法と魅力を解説!
山本 直也
VASTLAND COLUMN ライター

火打ち石を使って火花から火を起こすことに憧れているキャンパーも多いのではないでしょうか。ライターのような便利なものを使わずに不便を楽しむのが本来のキャンプの楽しみ方でもあります。そんな火打ち石の魅力や火起こしの方法などを解説していきます。

火打ち石とは?

火打ち石とは、火打ち金(焼き入れをした鋼)と打ち合わせて火花を出す石のことを指します。実は火打ち石から火花が出ている訳ではなく、火打ち金と打ち合わせた時に剥がれた鉄片が火花を起こしています。つまり火打ち石同士を打ち合わせても火花はでません。

火打ち石とは石の名前ではなく、火打ち金を削ることができる硬質で角の鋭い石を火打ち石と呼んでいます。主に玉髄や石英、黒曜石が用いられています。

石を使わない場合でも、火花を起こす発火具を総称して火打ち石といいます。

現代の火打ち石(ファイヤースターター)

現代ではファイヤースターターといって、マグネシウムを使った火打ち石があります。昔からある火打ち石と原理は同じ火花を起こす発火具なので、火起こしの難易度は変わりませんが、ファイヤースターターは火花の出し方にコツはなく誰でも簡単に火花を起こせます。

こんなときに火打ち石は役に立つ!

火打ち石は、いざというときにとても役立つアイテムです。たとえばライターの燃料が切れてしまったとき、火打ち石なら燃料が必要ないのでいつでも火を起こすことができます

その他にも雨風が強いとき、ライターでは湿ってしまうとなかなか火がつかなかったり、風に吹かれてすぐにきえてしまい使用できません。ですが火打ち石なら濡れてしまっても水分をふき取るだけですぐ使用でき、風が強くても火花を飛ばせます。

火打ち石を使った火起こしの魅力

「ライターやマッチを使えば簡単に火を起こすことができるのに、なぜ火打ち石のような手間のかかる火起こしをするのだろう?」そう思う方もいるのではないでしょうか。

火打ち石での火起こしには、自分で小さな火花から大きな炎に育てていくことにサバイバル要素を感じることができます。便利なものに頼らずに自分の力でなにかを成し遂げることに達成感や楽しさを感じるのが魅力です

不便を楽しむキャンプには、火打ち石を使った火起こしのようなサバイバル要素を取り入れると、さらに楽しみの幅を広がります。こういったサバイバル能力はキャンプで楽しむだけではなく、災害のような緊急時でも役立つこともあります。

火打ち石を使って着火してみよう

火打ち石で起こせるのは火花だけで、火をつけることができません。もちろん火花だけで薪に着火することはできません。火花でも簡単に着火するようなものから徐々に着火しにくいものに火を移していく流れで着火をおこないます。

火打ち石を使った着火方法1:火口(ほくち)

火口(ほくち)とは、火打ち石から出した火花を移し取るもののことで、火花のようなちいさな火種でも簡単に燃えるものが火口として使われます。主に麻ひもをほぐしたものやチャークロス(炭化させた布)フェザースティックなどを火口として使用します。身近なものでは、紙やティッシュなどを使用してもOKです。

準備した火口に向かって火打ち石を使って火花を飛ばし、うまく火花が当たると燃えはじめてくれます。火口は燃え上がりやすいですが、燃え尽きるのも早い特徴があるのですぐに焚き付け材に火を移します

火打ち石を使った着火方法2:焚き付け材

焚き付け材とは、火口の次に着火のしやすいもので、薪に火を移していく着火剤の役割をするものです。主にスギの葉や松ぼっくり、乾燥した小枝などを使用します。

焚き付け材から薪に火を移すためには、薪に火を当て続けなければなりません。ですが焚き付け材も長時間は燃えてくれないので、火が消えないように多めに準備しておき、薪に火が移るまで継ぎ足すのがポイントです

この段階で紙や新聞紙のような軽いものを入れると、焚き火の熱で起こる上昇気流にのって燃えたまま飛んでいき、火災を起こしてしまう原因になるので注意してください。

火打ち石を使った着火方法3:薪を火に移していく

購入したままの薪では、太くてなかなか着火してくれません。あらかじめナタやナイフを使って薪割をして、小割や中割の薪を作っておきましょう。小割にした薪ほど着火しやいので、小割から中割、太い薪へと徐々に太い薪へ火を移していきます。

中割が燃えはじめると火吹き棒やうちわなどを使って風を送り込めば、燃焼が加速してさらに燃えてくれます。太い薪が芯から燃えはじめれば、火は安定して燃えてくれるので火起こしは完了です。

火打ち石を使った着火の注意点

火打ちをおこなうときに、着火してすぐに強い火が起こり手を火傷する恐れがあります。焚き火をおこなうときは着火の段階から必ず手袋をつけて、火傷をしないように対策をしてください。

また火打ち石での火起こしは難易度が高いので、火起こしを失敗することもあります。もしものために必ずバックアップの方法を準備しておきましょう

動画で着火方法をおさらい

まとめ

日常に溢れる便利な物をあえて使わずに不便を楽しむのがキャンプの醍醐味です。火打ち石で作った火花から火起こしをするのは、実際にやってみると非常に難しく簡単にはいきません。ですが難しいほどできたときの達成感も大きくなります。

難しいことほどチャレンジする価値があるので、ぜひ火打ち石を使った火起こしにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

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山本 直也
VASTLAND COLUMN ライター
和歌山県田辺市を拠点に、キャンプ・釣り・山菜採りなどアウトドア中心の生活をしている。週末には必ず山奥に行き自然の中で過ごす。釣り歴は特に長く、今年で20年になる。日本キャンプ協会公認キャンプインストラクターを保有。
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