火起こしのとき、「思ったより火が付かない!」という経験がある方は多いのではないでしょうか?着火剤があれば楽に火は起こせますが、やはり自分で起こせてこそ、ロマンですよね。今回はそんな火起こしの方法についてご紹介します!初心者の方は基礎知識として、経験者の方は再確認として。ぜひ参考にしてみてください!
準備しておくギア(道具)
火起こしで持っておきたい7つのギア
火起こしに必要なギアは、火種を作るもの以外にも、着火させる麻や薪、酸素を送るための火吹き棒などが必要です。最低限、火起こしに必要であろう道具は以下の7種類。
- ファイヤースターター
- 火吹き棒
- 鉈もしくはナイフ
- 手袋
- トング
- 薪、麻ひも
- 焚き火台
7つめの焚き火台は、キャンプ場が直火NGだった場合に使用します。火起こしを始める前に、キャンプ場のルールや注意事項をしっかりと確認して、持っていくべきか判断してくださいね。
火付きが良い薪・火持ちの良い薪
一見、薪はどれも同じに見えてしまうのですが、薪の種類は大きく分けて「針葉樹」と「広葉樹」の2つ。それぞれ特徴があり、火の付き方や火持ち時間が違います。
特徴に合った薪を使い分けることで、スムーズに着火できたり、火持ちを良くすることができるので、薪の種類と特徴を簡単に理解しておくのがポイントです。
針葉樹
主にスギやマツ、ヒノキなどが針葉樹にあたります。細くて軽い物が多く密度も低いので、着火しやすいが火持ちが悪いという特徴があります。広葉樹よりも安価で手に入れやすい種類の薪です。
「焚き付け」という作業に適した薪、密度が低いので薪割りがしやすいのも特徴のひとつです。
広葉樹
主にナラやクヌギ、サクラ、アカシアなどが広葉樹にあたります。針葉樹とは逆に太くて重い物が多く、密度が高いので着火しにくいが火持ちが良いという特徴があります。また、針葉樹に比べて高価なものが多いです。ナラはコストパフォーマンスが良く、広く使用されています。
針葉樹に比べて高価なものが多いですが、火持ちが良いので、焚き火や暖炉で使用するなど長時間暖をとる場合に適しています。
火起こし前の準備
基本のギアや薪も揃ったところで、いよいよ火起こし作業…の前に、火を大きく育てるための材料、「焚き付け材」と「火口(ほくち)」を作ります。
焚き付け材作り
火を大きくするための焚き付け材には、先ほどチェックした針葉樹を使用します。着火しやすく、密度が低いので薪割りしやすいのが特徴でしたね。
しかし着火しやすいとはいっても、太く大きな薪のままではなかなか火はついてくれません。そこでバトニング(ナイフを使った薪割)という作業をして薪を小さく割り、焚き付け材をつくっていきます。
後々、小さい薪から大きな薪へと少しずつ火を繋いで大きくしていくので、小割、中割、大割の3種類の薪を作っておきましょう。
火口作り
火口(ほくち)とは、火打ちで出た火花を移し取ることをいいます。
一般的にはほぐした麻ひもやチャークロス(布を炭化させたもの)、フェザースティックなどの素材を指します。素材と空気の触れる部分が多く、小さな火花でも着火しやすい特徴があります。
フェザースティックは、薪割・バトニングで細くした薪を、羽毛のようにナイフで薄く削り重ねていきます。
百円ショップで手軽に購入できる麻ひもは、ほぐして使用します。火口は燃え尽きるのが早いので、多めに作っておくと良いですよ!
フェザースティック作りって難しいですよね…。勢いあまって切り落としてしまいました…。
こればっかりは慣れですね〜。
切り落としてしまった部分も火口として利用できるので、安心してチャレンジしてください!
火起こし開始!
焚き付け材、火口も揃ったところで、いよいよ火起こし開始です!
開始早々多くの方がつまずいてしまうポイントが、火起こしで最初におこなう「焚き付け」。
生まれたての小さな火は、少しの風でも簡単に消えてしまうほど繊細なので、焚き付けではその小さな火をどうやって育てるかが重要になってきます。
最初に準備しておいた火口に向かって、ファイヤースターターで火打ちします。
着火までは簡単なのですが、薪へ移そうとして失敗してしまうパターンが多いです。
着火しやすい分、燃え尽きるのも早いので、すぐに火が消えてしまう!と焦りがちですが、ここは慎重にいきましょう!
私もここで失敗しました 。すぐに薪に火を移そうと焦っているうちに火が消えていました…。
火の育て方
火を絶やさないように、フェザースティックや麻ひもなどの火口を継ぎ足していきます。この時点ではまだ火吹き棒を使う必要はありません。火口を継ぎ足しながら、小割・中割の薪へ徐々に火を移していきます。
薪に火を移すことよりも、小さな火を絶やさないことがポイントです。
小割、中割の薪が燃え始めたら徐々に太い薪を継ぎ足し、火吹き棒で空気を送って火を育てていきます。
太い広葉樹の薪が芯から燃えはじめたら、焚き火が安定した証拠。薪がある限り、放っておいても火が消えることはありません。
- 火口(ほくち)の火が消えないようにフェザースティックを継ぎ足す
- 小割、中割に火が移るまで火吹きしない
- 小割、中割、大割と徐々に薪を大きくしていく
火起こしの方法を動画でおさらい
まとめ
薪の使い分けと焚き付けのポイントさえこなせれば、火起こしは難しくありません。
ライターや着火剤を使わず火起こしができれば、キャンパーとしてちょっと鼻が高いですよね。興味がある方は、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
ファイヤースターターの詳しい使い方はこちらから!
火起こしの後は片付けも忘れずに!炭捨て場がない場合は家に持ち帰るなど、しっかりとマナーやモラルを守って素敵な一流キャンパーになりましょう!