焚き火をするときに買ってきた薪をそのまま使っても、太くてなかなか着火してくれません。「バトニング」をして着火しやすいサイズに薪を割れば、着火しやすくなります。今回はそのバトニングについて詳しく解説していきます。
バトニングとは
バトニングとは、ナイフで薪割りすることを指します。薪は細いほど着火しやすく、太い薪にはなかなか着火してくれません。着火しやすくするためにバトニングをおこない、薪を細く割っていきます。
着火の手順としては細い薪から徐々に中割、太い薪と火を移していく流れです。そのためバトニングでは小割だけでなく中割のサイズの薪も作る必要があります。
小割は割りばしほどの太さ、中割は指1,2本分くらいの太さに割った薪のことを指します。
斧とナイフの薪割りはどう違う?
パワーはあるが、技術や労力が必要な斧
薪割りといえば斧でおこなうイメージをされる方も多いのではないでしょうか。一般的な斧は2キロから3キロほどで、上から振り下ろして使用するのでかなりのパワーがあります。ですがかなりの労力を消費しますし、振り下ろした斧に薪を命中させる技術も必要です。
キャンプでの使用用途を考えると、ほとんどの方はすでに割られた薪を購入すると思います。その薪を細かく割るくらいなら斧ほどのパワーは必要ありませんし、斧は細かく薪を割ることには適していません。
誰でも簡単に細く薪割りができるナイフ
ナイフでの薪割り「バトニング」は斧のように振り下ろして薪を割るのではなく、薪の割りたい箇所に刃を置いて刃の背側から衝撃を与えて薪割りをするので、割りたい場所から的を外すことはありません。だれでも簡単に割りたいサイズに割れて、なおかつ刃を振ることがないので安全に薪割りができます。
バトニングのやり方
動画でバトニングのやり方をチェック
画像でバトニングのやり方を解説
まずは薪を立てて割りたい場所にナイフの刃を置きます。このとき薪の上に置く刃の位置は根元側に、先端は薪からはみ出るように置くのがポイントです。
余った薪でナイフの背を叩いていきますが、なるべく先端側を叩くようにしてください。ハンマーのような硬い物でナイフの背を叩くとナイフが破損する恐れがあるので、薪を使うのがおすすめです。
薪でナイフの背を叩いていくと、どんどん刃が入っていきます。このとき刃の先端側を叩いているので徐々に刃が斜めになってしまいがちですが、必ず刃は地面と平行をキープするのがポイントです。
このまま下まで刃を叩きすすめるとバトニングは完了です。バトニングでは真ん中から半分に割ろうとするのではなく、端から細かく徐々に割っていく方が刃への負担も少なく、簡単に薪割りすることができます。ぜひ挑戦してみてください。
バトニングに適したナイフとは
強度の高いナイフ
バトニングでは通常のナイフの切るという使い方とは異なる、割るという行為に使用しなおかつ刃の背側に衝撃を与えるので、ナイフへの負担は大きいです。そのため強度の高い物が適しています。ナイフの刃を構成する1枚の金属の板がハンドルの後ろまで貫通している「フルタング構造」なら強度が高く、曲がったり折れたりしにくいのでおすすめです。
刃の厚みがあるナイフ
ナイフの厚みがあるほど薪にナイフが入ったときの「裂く力」が強くなり、薪が割りやすくなります。刃に厚みがある分強度も高くなるので、バトニングに使用するナイフはできるだけ厚みのあるナイフを選びましょう。
バトニングに適した薪は
広葉樹と針葉樹どちらが適しているか
薪には大きく分けて「広葉樹」と「針葉樹」があり、特徴は大きく異なります。広葉樹は密度が高く硬いのに対し、針葉樹は密度が低くく軟らかいのでバトニングをするなら針葉樹が最適です。
また広葉樹は着火しにくく火持ちが良い特徴があり、針葉樹は着火しやすく火持ちが悪い特徴もあります。バトニングは着火しやすくするためにおこなうので、着火の容易さの面でも針葉樹が最適です。
節のない真っすぐな薪
バトニングは木目に沿っておこなうので少ない力で簡単に割れてくれますが、上記のような節のある物には注意が必要です。節の周辺のみ木目が変化していて非常に硬く、ナイフの刃を傷めてしまう可能性があります。節のあるものは避けてバトニングをしてください。