寝袋(シュラフ)は、季節に合わせて選ぶ必要があることをご存じでしょうか?
今回は季節によって選ぶべき寝袋の種類や形、サイズ、使い方などを詳しくご紹介します。
季節による種類の違い違いや特徴を理解したうえで、失敗しない寝袋選びができるようになりましょう!
寝袋の形について
形は大きく分けて、マミー型と封筒型の2種類があります。
マミー型

「マミー」はミイラという意味。
その名の通り、寝袋に体がすっぽりと包み込まれる形をしています。
- 軽い
- コンパクトに収納できる
- 体との密着度が高く保温力が高い
リュックやバイクに積めるのでソロキャンプなど、なるべく荷物を減らしたい場合によく選ばれています。
また保温性も高いため、寒い時期のキャンプにもマミー型が向いていると言えます。登山用の寝袋としてもおすすめです!
封筒型
封筒型はサイドにファスナーがついているタイプの寝袋で、広げて布団のように使うこともできます。
- 圧迫感が少ない
- 布団のような寝心地
- 一部分だけ広げるなど、温度調節がしやすい
ファスナーを調整することで、ブランケットにしたり敷布団にしたりと、様々な使い方ができるのが封筒型の良いところ。
ご家族でキャンプをする場合や普段と変わらない寝心地を求める方は、封筒型がおすすめです。
寝袋の中綿について
寝袋に使用されている中綿は主に化学繊維、またはダウンの2種類です。これは寝心地や保温性にも大きく関わってくるので、しっかりおさえておきたいポイントです!
化学繊維
素材が安いため、店舗やネットショップで販売されている寝袋の多くは化学繊維が使われています。
- 安価なものが多い
- 水に強い
- メンテナンスや保管が楽
- 家の洗剤で洗える。
安くお手入れが簡単で、水に強いため家の洗剤や洗濯機で洗濯ができるのが嬉しいポイントですね。
ただダウンに比べるとかさばるので幅をとります…。同時に保温性もやや劣るため、使用できる季節が限られます。
ダウン
化学繊維のものに比べて値段が高く、保温性と寝心地はピカイチ!
- 軽い
- 保温性が高い
- コンパクトにできる
- 寝心地がふかふか
収納時にもかさばらず小さくたためて軽いので、積載量が気になるならダウンのものがおすすめ!登山キャンプなどでよく使用されています。
デメリットは、保管するときに注意が必要なことです。
専用の洗剤が必要なのと、自宅での保管時にある程度膨らませておかないとカビが生えたりするので注意しましょう。
季節に最適な寝袋とは?
形と中綿の違いはわかったけれど、使い分けはどうすればいいのか迷いますよね。
一般的分けられている基準は夏用、3シーズン用(春〜秋)、冬用の3種類。
また、候補の寝袋を選んだら、快適使用温度(使用温度目安・使用可能温度)を見てみましょう。快適使用温度が実際に使用するときの参考になるかと思います。冷え性の方や女性の方は、少し温かめの保温性に優れている寝袋をおすすめします。
次に、季節ごとのおすすめ寝袋を紹介します。
夏用寝袋
◆選ぶ例
- ファミリーキャンプ・ソロキャンプともに
封筒型 / 化学繊維 / 使用温度目安:5℃~程度
夏は夜が過ごしやすいほか、暑い時はファスナーをフルオープンにするなどして調節できます。通常のキャンプ場なら、封筒型の寝袋があれば十分だと思います。
3シーズン用寝袋
◆選ぶ例
- ファミリーキャンプの場合
封筒型 / 化学繊維orダウン / 使用温度目安:5℃~25℃程度 - ソロキャンプの場合
マミー型/ ダウン推奨 / 使用温度目安:5℃~25℃程度
どの寝袋が合うのかわからない、初めて寝袋を買うなら、3シーズン用がおすすめです。
ただ、春や秋は朝晩の寒暖差が激しい季節ですので注意してください。少し温かめのものを買うのがポイントです。マットを別で購入して防寒対策をしっかりすれば、一般的なキャンプ場であれば大丈夫です。
ソロキャンプの場合はかさばらないマミー型を選び、値段は上がりますが長く使うことを想定するならダウン素材を買ってみるのもありかなと思います。
冬用寝袋
◆選ぶ例
- ファミリーキャンプの場合
マミー型 / ダウン / 使用温度目安:0℃~10℃程度 - ソロキャンプの場合
マミー型/ ダウン / 使用温度目安:0℃~10℃程度
10月後半にもなると寒さを感じることが増えてきます。
寒さ対策をしっかりとしたうえで、暖かさを重視したものを選んでください。
また、この例は一般的なキャンプ場を想定していますので、真冬のキャンプや雪山、登山でのキャンプをする場合は、使用温度目安が-9℃程度の本格的なものにしましょう。
寝袋のサイズ
マミー型のサイズ
マミー型は「適応身長」という表記をよく目にするのですが、ポイントとして自分の身長よりも5〜15cm程度大きいものにしましょう。
これは実際寝るとわかるのですが、リラックスして寝ている状態は足が前に傾くので、地面に立っている時よりも自分の身長が伸びてしまうからです。
ただ気をつけていただきたいのが、大きすぎるものを選んでしまうとダメということ。大は小を兼ねるとは言いますが、マミー型の寝袋の場合、大きくてスカスカだと、メリットである保温性が台なしになってしまいます。
一般的な寝袋のサイズ基準を記載しておきますので、参考までにご確認ください(メーカーによってサイズは異なります)。
- ロングサイズ [ ~195cm(体が大きめの男性など) ]
- レギュラーサイズ [ ~180cm(一般的な男性) ]
- ショートサイズ [ ~165cm(小柄な方、女性) ]
封筒型のサイズ
封筒型の寝袋はシングル、ダブルサイズという表記が一般的です。
しかし、基本的にはシングルサイズを選んでおけば問題ないと思います。
というのも、封筒型の特徴である、寝袋を連結させるという使い方があるためです。同じ種類なら、シングルを2つ連結させてダブルサイズとしても使えるということからも、シングルサイズをおすすめします!
- シングルサイズ [大人1人程度]
- ダブルサイズ [大人2人・子供1人]
- それ以上 [大人3人~]
簡単な使い方
実際に使用する寝袋の目処は付いてきましたでしょうか?
それでは使用にあたって、簡単な使い方・収納方法をご紹介いたします!
キャンプでの使い方・服装
- コットやマットを地面に敷く
- マットの上から寝袋を敷き、上部を開けて中に入る
- チャックを閉め、密閉度を上げる
寝袋は必ずマットやコットと一緒に使用しましょう。マットなしだと地面が冷たくて体が冷えたり、石や木などがゴツゴツしたものが背中にあたり痛くて眠ることができません。
封筒型の場合はチャックを動かして温度調節をしてくださいね。
また、寝袋に入る時の服装は、夏はシャツでも大丈夫なのですが、春・秋、特に冬は防寒対策のとれた服装にすると良いでしょう。フリースやダウン、靴下などで大丈夫だと思います。荷物に余裕があれば毛布など持っていくと良いでしょう。
使用後のたたみ方・メンテナンス
寝袋を使ったあとは、正しい収納方法でたたむ必要があります。特に、化学繊維のものはコツがいるため、入っていた袋に入らないということもしばしば。ポイントを記載しておきますので、参考にしてくださいね!
◆化学繊維の場合
- 頭部分を足元の方へ向かって折る(少し上下にずらしておくと、丸める時に綺麗にそろいます)。
- 両手や膝で体重をかけ、空気をできるだけ抜きながら筒状に丸めていく。
- 丸めたあと最後に全体重をかけてできるだけ小さくする。
- ひもやベルトで寝袋を固定し、収納ケースに入れる
- 直射日光を避けた風通しの良い場所に保管する
◇メンテナンス
- 家にある洗剤を使い、洗濯機できれいにする
- 外で陰干しをして乾燥させる(乾燥機はダメ!)
- 少し余裕のある収納袋に畳んで入れて保管しておく
化学繊維のたたみ方は難しいのですが、元あった形に戻すように順を追ってたたんでいくことと、空気を抜くようにたたむことが大事。ファスナーが引っかかることもあるので、丸めるときはファスナーを内側に入れるとスムーズです!
また、きつい収納袋に長期間保存しておくと膨らむ力が低下してしまうので、入れるのが大変なほどパツパツな場合は少し余裕のある袋で保存した方が良いかと思います。保温力にも影響してきますので。
◆ダウンの場合
- 足元の部分から収納ケースに押し込んでいく
- 収納袋に入るまで押し込んで完了
◇メンテナンス
- 専用の洗剤を使用し、浴槽や桶などで手洗いする
- 水が綺麗になるまで念入りにすすぐ
- 洗濯機で脱水する
- なるべく乾燥機を使って乾燥させる
- 中綿が偏らないよう、全体をほぐす
- 直射日光を避けた風通しの良い場所に保管する
- 未使用時も、たまに収納ケースから出して広げておく
ダウンの収納は、とりあえず押し込む!と覚えておけば大丈夫です(笑)びっくりするほどコンパクトになるのがいいですね。
ただダウンはメンテナンスをしっかりしないと、カビの原因になるので注意しましょう!サボってしまうとせっかくのダウンがすぐダメになってしまいますので。
また、ふわふわを維持させるには、シーズンオフの時期に広げてあげることも忘れずに。
まとめ
快適なキャンプは快適な睡眠があってこそ。
寝袋ひとつで翌日の体の疲れ具合が違ってきます。
今お持ちの寝袋が季節にあったものでなければこの機会に選び直してみてはどうでしょうか。
寝袋で寝るときのおすすめの睡眠方法を紹介したコラムがありますので、そちらもあわせてご覧ください。