ロープの頑丈な結び方を覚えてしっかり結べても、ロープが切れてしまえば本末転倒です。ロープは使用するたびに劣化が進み、どんな素材でも必ず交換しないといけない時期が訪れます。今回はロープの素材ごとの違いや選び方について、詳しく説明していきます。
ロープワークにおいて大切なこと
アウトドアで役立つロープの結び方を、以前コラムで紹介しました。その中でも解説しましたが、ロープワークとはロープの結び方・扱い方の総称です。
ロープワークを覚えれば、テントの設営などキャンプで大活躍します。しかし、どんなに強固な結び方でも、ロープの素材が悪くて切れてしまうと意味がないですよね。
結び方をマスターしたら、次に大切なのはロープの素材ごとの特徴や、太さ・長さの選び方を知ることです。自分が求めるロープはどれか、一緒にチェックしていきましょう。
ロープの簡単で丈夫な結び方はこちらをご覧ください!
ロープの素材と特徴を知ろう
ナイロン製
合成繊維ロープの中で最も強度に優れ、摩耗にも強いです。伸縮性があり柔軟で扱いやすく、衝撃をよく吸収してくれます。やや水を吸う性質があります。強度重視の方におすすめです!
ポリエステル製
摩耗に強く、紫外線による劣化の影響も受けにくいのが特徴。海水にも強くマリンレジャーに使用されることも多いです。合成繊維ロープの中では重いのも特徴です。雨の日でもキャンプをする方におすすめ。
ポリプロピレン
安価なのに強度があり、比重がとても軽く水に浮くのが特徴です。紫外線に弱い素材で、着色することで日光による劣化を軽減しています。コスパ重視の方におすすめです。
太さと長さでロープを選ぶ
太さの選び方
太いロープだと強度は増しますが、かさばったり、風の抵抗を受けやすかったりします。細いロープは軽く持ち運びやすいですが、強度が心配になります。
そのため、ガイロープで使用する平均的な太さの4mmに合わせるのがベストです。
ガイロープとは、テントやタープに使用する張り綱のことを指します。
長さの選び方
テントやタープに付属されたロープを買い替えるときは、付属されたロープの長さに合わせて購入するのが無難です。
それでも不安な場合は、それよりも長めに購入してください。自在金具での調整や、ロープを切って調整することも可能なので、ある程度長くても問題はありません。
結局どのロープがいいの?
迷ったら、ナイロン製の4mmを買うのがおススメです。強度があってなおかつ柔軟なロープであることが重要です。
単純に強度があっても素材が伸びないと、テントやタープ、ポールなどに急な風などの衝撃を直接与えてしまいます。実際にポールが折れてしまったり、テントやタープのつなぎ目が破れてしまう場合もあります。伸縮性のあるロープであれば、ロープ自体がバネの役割をするため、衝撃をやわらげてくれます。
より賢くロープを活用するコツ
夜も見えやすいロープを使用する
夜はロープが見えづらく、気付かず引っかかってしまって転倒する恐れがあります。子供連れの場合は特に心配ですよね。
その対策におすすめなのが蓄光・反射性能をもつロープです。昼間に太陽光を浴びせておけば、電源なしで発光します。ライトの光なども反射するので、夜でも視認性抜群で、つまずく心配はありません。
簡単で丈夫なロープの結び方を覚える
「もやい結び」「自在結び」は初心者でも簡単にマスターできます!
テント設営時、ハンモックを使用する際、重いものを吊るすときなど、さまざまなシーンで役に立つので、覚えておけばより丈夫にロープを活用できますよ。
それぞれのロープの結び方は、写真付きで手順を紹介しています。まだチェックしていない方は、ぜひ下記コラムをご覧ください!
ロープをきれいにまとめるには
頑丈なロープを買っても、ロープのまとめ方を適当にしてしまうと劣化しやすくなります。また、いざテントを立てるときに絡まってしまい、設営に時間がかかってしまいます。
そうならないための簡単なロープのまとめ方「棒結び」について詳しく説明します!
「棒結び」の結び方
まとめた側の先端をA、巻き付ける側の先端をBとします。
1)まとめたい長さでロープを折り返し、棒状にまとめていきます。あとでロープを巻き付けるため、B側のロープを少しあまらせておきます。
2)A側を手前にした状態で、B側のあまらせたロープを巻き付けていきます。そしてA側の輪の中に、先端Bをくぐらせます。
3)先端Aを引っ張ると、輪がひっぱられて締まります。
4)これで「棒結び」の完成です。
ほどくときは、先端Aの逆の方向に先端Bを引っ張ると、締まった輪がゆるみます。輪から先端Bを抜けば簡単にほどくことができます。
意外と早く結べたのではないでしょうか?
撤収時によく使う結び方なので、簡単に早くまとめられることがこの結び方のメリットです。
まとめ
結び方を覚えることと同じくらい、どんなロープを選ぶかも大事です。
迷ったときは、ナイロン製4mmの強度があり柔軟なロープがおススメです。棒結びできれいにまとめておくこともお忘れなく!
ロープは必ず劣化していきます。
定期的に状態をチェックして、適切なタイミングで買い替えるようにしましょう。
ロープワークと一緒に覚えておきたい「ペグの打ち方」などについてはこちら!