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フェザースティックとは?作り方やコツなどを徹底解説

フェザースティックとは?作り方やコツなどを徹底解説
山本 直也
VASTLAND COLUMN ライター

着火剤やライター、バーナーなど便利な物を使えば火起こしは簡単にできます。あえて不便を楽しむキャンパーなら、フェザースティックを作って火起こしにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。今回はフェザースティックの作り方やコツなどをご紹介していきます。

フェザースティックとは

フェザースティックとは、木の棒をナイフで薄く削り重ねて羽毛(フェザー)のようにしたものを指します。「火口(ほくち)」や「焚き付け材」として利用するために薄く削り重ねて、空気の触れる部分を多くして着火しやすくしているのです。

フェザースティックを作成できれば、着火剤がなくても自然の物だけで着火できます。

火口と焚き付け材の違い

フェザースティックは火口と焚き付け材ふたつの用途があります。「火口(ほくち)」とは、火花のような小さい火種を移し取る物のことで、「焚き付け材」とは、小さな火で簡単に燃えて薪に火を移す役割の物です。

焚き付け材として使用する場合は厚みを気にせず削り出しても問題ありません。火口として使用する場合はカンナで削り出すような薄いフェザーでなければ、火花のような火種から燃えはじめてくれません。用途の違いで削る厚みを調節する必要があることは理解しておいてください。

フェザースティックに適した木材

木材には大きく分けて「広葉樹」と「針葉樹」があり、どちらも特徴は大きく異なります。広葉樹は密度が高くて硬く、針葉樹は密度が低くて軟らかい特徴があるのでフェザースティックを作るなら針葉樹が作りやすいです。

他にも広葉樹は着火しにくく火持ちが良く、針葉樹は着火しやすく火持ちが悪い特徴もあります。フェザースティックは火口や焚き付け材として使用するので、着火の容易さの面でも針葉樹が最適です。

フェザースティックに適したナイフ

どんなナイフがよいのかというと、大きすぎるナイフは細かい作業では扱いにくいので、刃渡りは10センチ前後の物が細かい作業でも扱いやすいです。刃の厚みは2ミリ以上あるほうが削り出しやすく、グリップはしっかりと握れて自分の手に馴染む物がフェザースティック作りに適しています。

もちろんすべての条件が揃っていなくても、フェザースティック作りは可能です。作りやすくするにはナイフにこだわってみるのもおすすめです。

フェザースティックの作り方とコツ

動画でフェザースティックの作り方をチェック

画像でフェザースティックの作り方を解説

薪をバトニングして、人差し指ほどのサイズにします。バトニングの方法は下記のコラムで詳しく解説しています。

ナイフの持ち方は必ず指を添えず、グーの手で握ってください。ナイフの背に親指を添えた持ち方は、ナイフを寝かして使用する場合ではやりにくくなってしまいますのでおすすめしません。

薪の中間あたりからナイフの刃を寝かすように当てて、そのまま真っすぐ刃を地面と平行の角度のままスライドさせていきます。ナイフを立てるほど厚く削れて、ナイフを寝かすほど薄く削れます。一度刃が入ると刃の角度は変えずに下までスライドさせていきます。

下まで削れればナイフを立てて羽の根本を起こしてください。そうすることで次に削るとき、前に削った羽の根本ギリギリまで削りやすく、羽の根本を重ねることで羽を切り落としにくくなります。間を詰めることで羽の枚数をより多く作れるメリットもあります。

一度削ると刃の通った面は平らになります。平らな面は削りにくいので、少し角度を変えて角を削るように削り重ねていきます。ナイフの先端より根本側で削る方がブレずに安定して削り出しやすいです。

左右にずらしながら片面のみ削っていく方法と、まわしながら1周削っていく方法があり完成形は異なります。基本的には燃えやすければどんな形であろうと問題はありません。羽の長さや量は火力や燃焼時間に影響しますので、より長く多く削り重ねることを意識してください。

フェザースティック作りのコツまとめ

  • 刃は立てずに寝かした状態でスライドさせる
  • 下まで削ると刃を立てて羽を起こす
  • 刃は地面と平行のまま真っすぐ下に向かってスライドさせる
  • 途中で刃の角度は変えない
  • 一度刃を通すと角度を変えて角になっている部分を削っていく

薄く削っていくと削っている部分を切り落してしまうことがあり、失敗したと勘違いして刃を立てて分厚く削ってしまうことがあります。分厚く削ってしまうと刃に食い込む木の圧が強くなり余計にうまく削れません。

切り落とした部分も集めれば焚き付けに使用できるので、切り落としてしまっても気にせず刃を寝かしたまま薄く削るように意識してください。

割り箸でフェザースティックの練習

フェザースティック作りは練習を重ねると上達していきます。お家で練習するなら身近な木の棒「割り箸」を使えば手軽に練習できるのでおすすめです。割り箸が細い分難易度は高く、薄くゆっくり削ることが自然に身に付き上達も早いです。

まとめ

フェザースティックの羽の長さや量は、火力や燃焼時間の長さに影響します。見た目のよい綺麗なフェザースティックほど火力や燃焼時間が良く、火起こしのしやすさが変わってくるのです。みなさんもぜひこのコラムをみながら、いいフェザースティックが作れるように練習してみてはいかがでしょうか?

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山本 直也
VASTLAND COLUMN ライター
和歌山県田辺市を拠点に、キャンプ・釣り・山菜採りなどアウトドア中心の生活をしている。週末には必ず山奥に行き自然の中で過ごす。釣り歴は特に長く、今年で20年になる。日本キャンプ協会公認キャンプインストラクターを保有。
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