「焚き火をやってみたいけど、焚き火のできる場所ってどこなんだろう?」そういった疑問を持っている方は少なくありません。焚き火は火を扱うので、もちろんどこでもやっていい訳ではありません。そこで今回は、焚き火のできる場所と焚き火のマナーについて解説していきます。
焚き火ができる場所
キャンプ場とバーベキュー場
キャンプ場とバーベキュー場はどちらも焚き火をする定番のスポットです。ほとんどのキャンプ場やバーベキュー場は施設利用料がかかってしまいますが、トイレや水道、ゴミ捨て場などの設備が整っています。
条件次第で焚き火ができる場所
条件次第で焚き火をおこなえる場所は他にもあります。
私有地
私有地とは、個人で所有している土地のことをさします。私有地を使用するには、その土地の所有者に承諾を得る必要があります。山も個人の所有地の場合が多いですが、所有者や所有範囲を特定するのが難しいので、承諾をとることは簡単にできません。
公園
公園によってはバーベキューのような火気の使用が認められている公園もありますが、逆に火気の使用を禁止している公園も多くあります。わかりやすく火気の使用について看板で明記している公園と、そういった看板のない公園もあるので、公園の管理者に問い合わせるのが確実です。
河原
日本の河原は、河川法第24条で「河川区域内の土地を占用する場合は、河川管理者の許可を受けなければならない」と決められています。
(土地の占用の許可)
[PDF] 関連条文(河川法第24条、第26条等) – 国土交通省
第24条 河川区域内の土地(河川管理者以外の者がその権原に基づき管理する土地を除く。以下次条において同じ。)を占用しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。
ですが「水泳、洗濯、魚釣り、遊技等は、河川法第24条にある“占有”には当てはまらない」ので、許可を受ける必要がありません。
1) 河川法第24条の占用許可を受けることを要しないもの
運動場及び公園緑地等の利用目的をもって、河川区域内の土地を占用しようとする場合は河川管理者の許可が必要ですが、次の場合には不要です。[1] 自由使用の場合(水泳、洗濯、魚釣り、遊技等)
河川 | 国土交通省 関東地方整備局
[2] 河川区域の土地で、その土地の権原を有する者がその管理する土地を使用する場合。 (ただし、当該土地であっても、工作物の新築等の許可、土地の掘削等の許可は必要です。)
ただし、管理している自治体によって火気の使用を禁止している場合がありますので、その場合は焚き火をおこなうことができません。
焚き火のできない場所
3つの条件でひとつでもクリアできない場合は焚き火をすることができません。
- 土地の所有者、または管理者の承諾がとれない場所
- 周囲に住宅がある場所
- 周囲に燃え移る恐れがある場所
土地の所有者、または管理者の承諾がとれない場所
まずは使ってもよい場所なのか、火気の使用は可能なのかの確認をとることが重要です。しっかりとした確認がとれない場合は、焚き火をおこなわないようにしましょう。
周囲に住宅がある
焚き火をおこなうと、必ず煙が出てしまいます。周囲に住宅があると、煙たくなってしまったり洗濯物に臭いがついてしまうなど、迷惑がかかってしまいます。
場合によっては警察や消防に通報されることもあり、トラブルの原因となってしまうので、周囲に住宅がある場合は焚き火をしないようにしましょう。
周囲に燃え移る恐れがある
焚き火をすると火の粉が飛んだり、不意に焚き火台を倒してしまうことがあるかもしれません。そんな時周囲に引火する恐れのある場所では、火災を起こす可能性があります。
特に空気が乾燥する季節は、簡単に火が燃え移ってしまいます。一度燃え移ってしまうと簡単に消火できませんので、周囲に燃え移る恐れのある場所では焚き火をしないようにしましょう。
焚き火に適した場所とは?
結論からいうと、焚き火をおこなうならキャンプ場やバーベキュー場が一番適しています。施設利用料がかかってしまいますが、火気の使用を前提としているので、許可をとる手間も必要ありませんし、設備も整っているからです。
キャンプ場やバーベキュー場以外の場所なら施設利用料はかかりませんが、土地や火気の使用の確認をとる手間や周囲に気を配ったり、トラブルが起きる可能性のあるリスクを考えると、あまりおすすめできません。
万が一のことを考えると、焚き火をするならキャンプ場やバーベキュー場を利用するのが最も無難です。
焚き火のマナー
焚き火のマナーは焚き火をする場所に関係なく、共通することです。焚き火をするときは、これからご紹介する3つのマナーを守って焚き火をおこないましょう。
焚き火台を使用する
焚き火台は周りに引火してしまう危険性、芝生のような地面に生えている植物へのダメージ、そういった焚き火による自然への悪影響を防止するために使用します。焚き火台を使用することで、灰や炭を片付けやすいメリットもあります。
ゴミを燃やさない
ゴミを燃やすと悪臭を放ったり、有毒なガスを発生させることがあります。焚き火は焼却炉ではありませんので、ゴミが出た場合はキャンプ場やバーベキュー場指定の場所に捨てるか、持ち帰るようにしましょう。
地面にはなにも残さない
薪は木なので地面に還ると思われることが多いですが、燃やして黒くなった部分は炭化しているので防腐防虫効果があり、自然では分解できません。必ず自然には何も残さないのが最低限のマナーです。
他にも焚き火をするときの注意点をご紹介したコラムがありますので、ぜひ参考にしてみてください。