夏にキャンプやバーベキューの計画を立てている方は多いのではないでしょうか?
ただ夏は、厄介な虫たちも活発になる時期でもあるので、虫除け対策が必要です。
この記事では、あなたが夏のアウトドアライフをめいっぱい楽しめるよう、蚊、ブヨ(ブユ、ブト)、アブ、ハチ、ムカデといった虫から身を守る方法やかまれたときの対処法についてご紹介します!
キャンプでよく遭遇する虫
蚊
もっとも身近な存在ですね。
特に夏は個体数が一気に増えるため、少しでも水がある場所は用心してください。また、キャンプ場にいる「ヤブ蚊」は家で見かけるイエ蚊とは違い、刺されるといつも以上の痛みと強いかゆみの症状があらわれますので特に気をつけましょう。
ブヨ(ブユ、ブト)
ブヨは、地域によってはブユ/ブトなどと呼ばれています。皮膚を噛んで出てきた血をエサとする虫です。
小バエのように見えますが、ハエよりも小さく(3〜5mm程度)、体つきは黒っぽく丸めた形が多いです。羽音がしないこともあり噛まれても気づきにくいので注意が必要です。
アブ
アブはミツバチやハエに似た虫です。ブヨと同じく、食事のために皮膚を噛んで吸血行動を行います。皮膚を切り裂くため噛まれると激しい痛みを感じます。
また、飛ぶ速さが速いことも特徴の一つで時速145キロとも言われています。叩いて殺すことは無理に等しいので、正しい対策を行いましょう。
ハチ
ハチは、ブヨやアブと違い食事のためでなく防衛本能で攻撃をします。
体がモコモコしているミツバチは、穏やかで刺激しない限り攻撃しないのですが、スズメバチはどう猛で攻撃性が高く夏は特に気性が荒くなるため、この時期は危険といえます。
オオスズメバチは、地中や木の中に巣を作る習性があるため、巣を踏んだことに気づかず刺されてしまう場合もあります。山に行かれる方はあやまって刺激しないよう十分に注意しましょう。
ムカデ
意外と臆病な虫なので危険は少ないのですが、びっくりすると防衛本能で噛んできます。見つけても脅かさないことが一番です。
ただ、臆病な分、何度も噛んでくることがあります。ムカデに噛まれると激しい疼痛(とうつう)が起き、腫れがじわじわと広がっていきます。
虫除け対策:蚊・ブヨ・アブ
夏の昼間は気温が上がるため日陰でじっとしていることが多いのですが、気温が下がり始めて22度〜30度程度になると活発に活動し始めます。
朝・夕方・曇りの日などはとくに注意しましょう!
服装に気をつける
これらの虫は、肌が露出している部分を狙って刺したり噛んだりしてきます。山や草木の多い場所では長袖・長ズボンを着用しましょう。すねや足首など特に刺されやすい部分です。
黒や紺色などの暗い服を着ると体温が上昇するため、汗の匂いでおびき寄せてしまいます。明るい色の服を選ぶのも対策になります。ブヨは赤色や青色も好むので…黄色か白系の服装がおすすめです。
また、ブヨは綺麗な水があるところに生息しています。キャンプ場に渓流や、水辺、露に濡れた草陰などある場合は服装は特に気をつけてください。
虫避けスプレーを使う
蚊の予防であれば蚊取り線香を炊いておくこと、ブヨ、アブなど、ハエ系の予防ならばハッカの匂いのするスプレーを体につけることをおすすめします。
虫除けスプレーを使う際は、振りかけた後しっかり肌になじませるように塗り込まないと効果が完全に発揮されないこともあります。また、効能の部分に蚊・ブヨ・アブが書かれていることを確認してから、使用方法をよく読み使ってくださいね。
万能な虫除けスプレーですが、汗で流れてしまうという弱点があるので、30分に1回など、こまめに振り直すことも忘れずに。
囮ランタンを置く
虫の明るい方へ向かう習性を利用する方法を紹介します。光量が強いランタンをサイトの遠くに置き、少し弱めのものをテーブルに置いておきます。
そうすることで光量の強く明るいほうのランタンに虫が向かっていくので、周りに来る虫の数が少なくなります。
虫除け対策:ハチ・ムカデ
服装に気をつける
ハチは黒いものを攻撃することが多いので、白い服が好ましいです。
むやみに刺激しない
ハチやムカデは防衛のために攻撃を仕掛けてきます。なるべく刺激しないようにしてください。大声や手を振り回すなど激しい動きも厳禁です。
うっかりハチの巣に近づいてしまったり、びっくりして反撃したりすると、敵とみなされ何度も刺そうとしてきます。
ハチに遭遇したら絶対に攻撃せず、車や建物など安全な空間に逃げてください。スズメバチの場合、顎を「カチカチ」と鳴らし円を描いて左右に飛んでいるときは威嚇体勢です。低い姿勢でゆっくり逃げましょう。
ハチが攻撃体勢に入ると、黒いものや動くものを狙って飛んで来ます。この場合はできる限り巣から離れ、素早く遠くへ逃げましょう。
強い匂いやヒラヒラした服にハチは反応しやすいので、整髪料や香水、アルコール臭のあるものを身につけないことも予防になります。
脱いでいた靴の中にムカデが入っていた…なんてこともあるので、靴を放置した後は、必ず履く前にしっかり確認が必要です。
噛まれたときの対処法とやってはいけないこと
蚊に刺された!
- かかない
- 冷やす
ついつい掻いてしまいますが、掻きすぎると皮膚炎や、子供なら「とびひ」という症状を起こしてしまう可能性があるので、かゆくてもできるだけかかないことが大切です。
適切な対処法は、冷水や氷で患部を冷やすこと。
また、かゆみどめシールや、爪を短く切っておくことも対策として良いでしょう。
ブヨ・アブに噛まれた!
- すぐに毒を吸い出す
- かかない
- 冷やさず43度以上のお湯をかけ続けて温める
- ステロイド系軟膏を塗る
刺されたらすぐに、毒の吸い出しを行いましょう!
ポイズンリムーバーと呼ばれる道具が市販されていますので、患部に当てて毒をすぐに吸い出してください。この処置があるだけで、その後の治り方が劇的に変わります。
酵素毒と呼ばれる毒が、透明な液体(血が混じる場合もあり)と一緒に出てくるので、液体が出なくなるまでしっかりと吸い出してください。
ブヨの毒は熱によって分解されるため、吸い出したあとは43度以上のシャワーを30分以上かけたり、カイロを当て続けるなど、患部の温度を43度〜45度以上に保ちましょう。
噛まれた当日や翌日は「痒いな」というぐらいで放置してしまいがちですが、掻いたりそのまま何もしなかったりすると、後で恐ろしいぐらい腫れていきます。腫れるだけでなく、激しい痛みを伴うため本当にいいことがありません。
絶対に放置しないこと、掻きむしらないことが重要です。
また、ブヨやアブは一般のかゆみ止めでは効きません。炎症を抑えてくれるステロイド系軟膏を使用しましょう。
▶︎ 参考サイトはこちら(第一三共エルスケア)
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/23_mushisasare/index2.html
ハチに刺された!
- 15分以内に処置をする
- 水で冷やし洗い流す
- 刺されてから5分以内に針を抜く
- 絶対に針は指で抜かない
- 毒を吸い出す
- 抗ヒスタミン系成分を含むステロイド系軟膏を塗る
- できるだけ早く病院に行く
蜂毒によるアナフィラキシーショックが起こる危険性があるため、迅速に対応を行いましょう。刺された箇所から直接毒を入れられるので、15分ほどで刺された部分が腫れてきます。
まず大事なのが患部を冷やすこと。ハチの毒が水に溶けやすいためです。冷やすことで腫れや毒の周りを遅らせる効果もあります。
針が患部に刺さっている場合は体内に毒が流れ続けている危険な状態です。5分以内にピンセットで針を抜きとってください。ピンセットがない場合は、財布の中に入っている免許証などのカードを使って取る方法もあります。
この時、絶対に指でつまんで取らないでください。針には毒袋と呼ばれるものがあり、これを指で押しつぶしてしまうことでさらに毒を注入してしまうからです。
針を抜いたあとは、ブヨ・アブ同様にポイズンリムーバーを使って毒を絞り出してから、抗ヒスタミン系成分を含むステロイド系軟膏を塗っておきましょう。
以上の処置が終わったら、できるだけ早いうちに病院や皮膚科に必ず行ってください。
▶︎ 参考サイトはこちら(大阪府医師会)
ムカデに噛まれた!
- 刺された直後の場合は温熱治療を行う
- 毒を吸い出す
- ステロイド系軟膏を広範囲に塗る
意外におとなしいムカデですが、噛まれた時の威力はとてつもないです。
噛まれてすぐの場合は、毒素を洗い流すことを優先し、43度〜46度程度のやけどしない温度のお湯を5分〜20分かけ続けてください。アブ・ブヨと同様、ムカデの毒は熱に弱いため適切な対処法になります。
この時、弱酸性以外のシャンプーや石鹸を使用することも効果があるようです。
しかしここで注意してほしいのが、噛まれてから時間が経過している場合、ぬるま湯(40度以下)の場合は逆効果になってしまうことです。
その後はポインズンリムーバーを使用し、ステロイド系の軟膏やクリームを広範囲に塗っておくとよいでしょう。
▶︎ 参考サイトはこちら(@m3.com)
まとめ
夏のキャンプや野外では虫がつきものです。
「虫のせいで夏の思い出が全部台なし…」なんてことにならないように、事前の予防や対策をして、かまれたときの対処法を覚えておいて、夏キャンプを快適に過ごしてくださいね!
夏のキャンプは虫除け対策と一緒に、暑さ対策も忘れずに。暑さ対策を詳しく紹介したコラムがありますので、ぜひ参考にしてみてください!