着火剤があれば、薪や炭をスムーズに着火させることができますが「着火剤を忘れてしまった!」といった経験はありませんか?そんな時、着火剤の代用品になるものが、実は身近にたくさんあります。今回は着火剤の代用になるものをご紹介します。
着火剤とは
着火剤とは、着火しにくい薪や炭に着火させる助燃剤のこと。
ライターやマッチのような小さな火種でも簡単に火が付き、燃焼時間をある程度キープできるものです。
つまり、着火しやすく燃焼時間が長いものであれば着火剤として使用できます。
着火剤の代用品になる身近なもの
実は身近なものでも着火剤の代わりになるものがあります。
牛乳パック
牛乳パックの表面は『パラフィンワックス』という石油原料でコーティングされているので、簡単に火が付いて長く燃えてくれます。
開いて畳んでおけばかさばらないので、いざというときのために備えておくのがおすすめです。
牛乳パックを着火剤の代用品にした動画があります。思っている以上の燃焼効果を見ていただけると思いますのでチェックしてみてください。
ポテトチップス
油で揚げたポテトチップスは油分を多く含み、1枚で約1分ほど燃え続けてくれます。1枚での火力は強くないので、まとめて燃やすことで着火剤の代わりとして使用できます。
ただしポテトチップスは食べ物なので、困ったときの奥の手として覚えておいてください。
ガムテープ
ガムテープの粘着部分が燃えやすい成分でできているので、こちらも着火剤の代用品として使用できます。燃え尽きる時間が少し早く、燃やすと臭いが発生することがあるのが欠点。
乾燥させたみかんの皮
みかんの皮には『リモネン』という精油成分があり、よく燃えてくれます。
使用するにはしっかりと乾燥させることがポイントです。元々捨てるものなので、こういった活用方法ができればゴミにならなくてよいですね。
着火剤の代用品になる自然にあるもの
自然の中にも着火剤の代わりになるものがあります。
松ぼっくり
もはやこれは定番ですが、なぜ松ぼっくりが着火剤の代用品になるかというと、「松脂(まつやに)」が含まれているので、よく燃えてくれます。松ぼっくりを使用する場合は、乾燥したものを選んで使用してください。
乾燥しているかどうかを見分ける方法は、松ぼっくりのカサを見ればわかります。カサが開いていれば乾燥していて、閉じていれば乾燥していません。上の画像を参考にしてください。
スギの葉
山でよく見る茶色いトゲトゲがスギの葉です。
杉の葉は強く燃え上がりますが、燃焼時間が短いので多めに拾っておくのがポイントです。
小枝
小枝であればどのキャンプ場でも見つけやすいのではないでしょうか。
小枝を使用する場合も乾燥しているかを見分けなけらばなりません。
見分け方は、折ってみると「パキッ」と乾いた音が鳴ります。湿っていると小枝でも簡単には折れません。
着火剤の代用品を作る
事前に着火剤の代用品を作っておけば、着火剤の費用を安く済ませることができます。
ワセリンコットン
- 湯せんでワセリンを溶かします
- コットンボールを溶かしたワセリンに浸します
- ワセリンがしみ込んだコットンボールを取り出して冷やせば完成です
使用する前に指で軽くほぐしてから着火してください。
ワセリンコットンは非常に優秀で、ひとつで強い火力を約4分ほど保ち続けてくれます。
紙薪
- 新聞紙を軽くちぎって水につけます
- 水がしみた新聞紙を棒状のものに、きりたんぽのようにつけます
- 乾いたら棒から抜き取り、さらに乾燥させて完成です
筒状なので立てて使用すると、煙突効果で強く燃え上がります。
費用もかからず、簡単に作れるのでおすすめです。
現地で着火剤の代用品がなくて困ったとき
現地で着火剤を忘れたことに気づいたとき、紹介したような着火剤の代わりになるものが見つからないと困ってしまいますよね。
そんなとき薪に工夫を加えると、着火剤がなくても着火させることができます。
フェザースティック
ナタやナイフを使って薪を割り、細くなった薪をナイフで羽のように薄く削り重ねたものをフェザースティックといいます。
薄く削った部分は簡単に着火でき、そこから芯の方に火が移っていき火を大きくしていきます。フェザースティック1本だけでは太い薪に着火しないので複数本作ってください。
太い薪にうまく着火させるにはコツがあります。詳しくは『焚き火のやり方』コラムでご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
牛乳パックやポテトチップスなど身近なものから、松ぼっくりやスギの葉など山で拾えるものも着火剤の代用品として利用できます。
この知識はキャンプだけでなく、災害時にも役に立つかもしれませんので、覚えておいて損はありません。